【CORORS①】虹色の扉
●我那覇尚希様からのメッセージ
『ゲストさん、俺の愛犬が何処を探してもいないんです。
一緒に探してくれませんか？』
無理だよ。
こんな夜中に。
きっと、見付りますから安心してください。
『レンとは、ずっと一緒に暮らしてきましたが、こんな事初めてで。
ゲストさん、貴女の家族がもし、行方不明になったら先ずどうしますか？』
あたしのせいだ。
ポイントにかける代金が辛いからもう、何処か遠くへ行きたい。
そんな想いがきっと尚希さんの犬に通じちゃったんだ。
尚希さん、落ち着いてください。
きっとかくれんぼしているだけですよ。
あたし、もう馬鹿なこと想いません。
貴方の傍にいますから。
『家中何処を探してもいないんです。こんな犬見かけませんでしたか？』
見てないですよ。写真入のポスターとか作ってみては如何ですか？
『このまま見付らなかったら、俺……。』
想いを伝える前にポイント切れ。
お願い！
尚希さんの大事なレンくんが見付りますように
再び祈るしか出来ないもどかしさが心を支配していた。
