俺と葉月の四十九日
「…でも着たかったなぁ、水着」

ため息をつく安田。

そりゃあ俺も正直着てほしいけど…男の性ってヤツだ。
ビキニは良い。


「圭ちゃんに見せたかった…私のナイスボディを!なまめかしい曲線を!古代からの男のハンター精神を駆り立てる様な、私のジューシーでセクシーなボディを!」

「いやらしい言い方すんな」

慣れてるけど。
安田はいつもこうだ。
フツウに男子とエロ話してたしな。

本人気付いてないだろうけど、コイツ男に人気あったんだ。
安田自身は、全く意識してねぇけど。


「あれ?こっちに走って来るの…マオちゃん?」
「ヘ?」


立ち上がり、向かいの道路を指す安田。
見ると、確かにブル田の妹マオちゃんだ。


黒のノースリーブのミニワンピース姿のマオちゃんは、俺と安田に気付き手を振ってきた。
小さな歩幅で走り寄って来る。

「おはようございます!」

元気な挨拶。
礼儀正しい。
やっぱかわいいな、この少女。
ブル田に似てるけど。


「どしたの?マオちゃん」
安田の問いにマオちゃんは笑う。
走って来たせいか、頬が赤い。

「私も一緒に海に行っていいですか?」
「マオちゃんも?」
全然オッケーだけど。
< 106 / 267 >

この作品をシェア

pagetop