俺と葉月の四十九日
俺は、安田が好きだ。



ただそれだけの事だった。


どうして今まで気付けなかった?

…幼なじみの腐れ縁だと自分に言い聞かせてた。

安田に恋愛感情なんて無い、と。



…後悔した。


安田が死んでから気付いた自分に。


四十九日が来たら…俺と安田は離れなきゃならねぇ。

俺が何かしても、それは変わらねぇんだ。
引き止めたら…安田は不幸になるんだ。


ユーレイでもいいからそばに居てくれなんて、生きてる者の身勝手でしかねぇよ。


何で死んじまったんだよ!
安田!


重い…重いすぎる。

俺にも安田にも…だってもう、俺達が住むべき世界は違うんだ。


どうしようもない…。



俺の気持ちがこの世でお前の足枷になるなら…自分の気持ちに気付いていないフリをする。

好きだとは…決して言わない。


だから…せめて四十九日まででもいい…そばに居てくれよ、安田…。

お前に残されたこの世での時間…あと20日間、その時間を俺にくれよ…。


見つけてやるから。

必ず安田、お前の事を見つけてやる!

それができるのは、俺しかいないんだ。


待ってろ、葉月…。

信じて待ってろ。
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