俺と葉月の四十九日
ホント、変な解釈する奴だ。
ブル田は。
ある意味羨ましい…。


「二人共じゃれあってると花火見逃すよ?」

他人事顔か!

お前が内緒とか言うから、ブル田がムキになってんだぞ?


…言っても無駄か。

ため息をつき、夜空を見上げた。

ちょうどシダレ桜の様な花火が空に咲いていた。


「ホント、綺麗」
「安田サンの方が綺麗ですよ〜」

なっ…ブル田!


「痛っ!」

気付いたら反射的に、ブル田の頭を叩いていた。


「何をする!」
「…別に」

後頭部を押さえ抗議するブル田を、俺は顔をそむけてかわす。
無邪気にサラリとそういう事を言えるブル田が妙にムカついた。

言うなって!
しかもサラリと!
ムカつく!


「またじゃれてるし」

笑う安田。
楽しそうに、いつもの様に…。


それ以上望むのは贅沢か?
安田が笑う…それ以上を望むのは、贅沢なのか?


それだけでいいと思っていたはずなのに、安田と居ると…望みが増えちまう…。


ホントに…お前を生き返らせる方法があるなら…何を置いてもやる。

寿命を減らされてもやるのに…。


俺は、お前の灯籠なんか見たくねぇ…。



切ねぇよ…安田…。
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