俺と葉月の四十九日
泣いてるって言われりゃ、そんな風に見えなくもねぇけど…。


「どうしたんだろう」


安田は気になって仕方が無い感じだ。
こいつはよく、捨てられてる猫や犬も拾ってきてたよな。


いや、子供はそういう次元じゃねぇし。


「私、行って来る」
「え?ちょっ…安田!」


行って来るって、お前ユーレイじゃん!
子供怯えさせる気かよ!
つか、見えねぇんじゃねぇ?!


走り出した安田を慌てて追いかけた。
ユーレイの安田を見たら更に泣いちまうだろ。

放っておけねぇのはわかるけど、今の自分の姿を考えて行動しろっつーの!


しかし、ユーレイ安田は俺より早い。
元陸上部だから?
全力で走る俺より数秒早く、子供の前に立っていた。

「僕、どうしたの?迷子?」

うわぁ!!話しかけちゃったよ!


「安田!待てって!ストップ!」
「何よぅ」

安田は、ふくれた顔で俺を見た。


「子供怯えさせる気か!」
「怯える?ドコが?」


へ?


俺は、ベンチに座る子供を見た。
やはり小学生だ。
一年生くらい?


痩せてひょろっと小さくて、Tシャツから出た腕なんて棒みたいだ。

男の子は、涙で潤んだ瞳で安田を見上げた。
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