Vanilla Essence
弥生はそのまま紗由美たち4人を放置して、大貴と帰ってしまった。
帰り道、4人で帰ってはいるのだけど、全員、沈黙を貫き通していた。
いつになったら会話が出来るのだろう…
紗由美がそう思った時、また、バニラの匂いがした。
紗由美が舐めているのでは、ない。
隣を見ると、隣にいる昂がなにやら口を動かしている。コロコロと、歯に何か固いものが当たる男がしている。
「甘いの、好きなの?」
紗由美は、いつの間にか昂に訊いていた。