10年彼女
―――4時――

ガチャ。

あ。

李梨帰って来た?

俺と順は読んでいた李梨の本から目を離す。

奈流は音楽を聴いたまま、すーっと寝息をたてている。


ダンダンダン

これは階段を上る音。

ガチャ。

「順!久しぶりだな!!」

「直樹さん!」

“直樹さん”とは李梨のお父さん。

つまり、大企業の社長さん。

俺と奈流は会うのが初めて。

俺は奈流を肘で突いて起こす。

目の前の直樹さんに、奈流がポッと頬を染める。

「キミ達が恭弥クンと奈流チャン?
初めまして、李梨の父ですー。」

…テンションが若い…!!

「初めまして。
直樹さんですよね?順から聞いてます。」

「…随分と美形なお父様で。」

…奈流、まだ寝ぼけてんのか?
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