mixed Emotion

キャラメル色の瞳

結局、放課後になっても美玖は姿を現すことなく、私と理香ちゃんは重苦しい気持ちで校門を後にした。

「ゆりちゃん!!」


突然名前を叫ばれ私は心臓がドクっとはねた。

と同時に門の前に持たれかかっている他校の制服を着た女の子が視界に飛び込んできた。

「川野ゆりちゃんでしょ?」

「誰?知り合い?」

理香ちゃんはあきらかに不信感を抱きながら彼女を見た。

私はすぐに誰だか分かった。

忘れるわけがない。


パーマに茶髪の、この派手な美人の女の子のことを。
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