mixed Emotion
人の心配をよそに、美玖はつまらなさそうにあくびをして、外の校庭を眺めていた。


しかしチャイムが鳴ると同時に、美玖は勢いよく席を立ち、廊下へと駆け出した。


私はとっさに後を追いかけた。今回ばかりは嫌な予感が的中した。


「松田さん!川野さん!まだ授業中よ!」


先生の声を背に、私は精一杯美玖を追いかけた。
なんか私……昨日から走ってばっかりだ……。


美玖の足は早くて、私は見失ってしまったが、予想通り校庭に出ると、彼氏がいた。


「美玖!!」


私は昨日つかさ君を呼んだ時よりも、大きな声で叫んだ。


美玖はちらりと私の方を見たが、すぐに彼氏にむきなおっていた。
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