mixed Emotion

カメ対てんとう虫

「ゆり・・・あさり嫌いなの?」

「うん」


つかさ君のバイクに乗ってついた先は、

おしゃれなイタ飯屋さんだった。

入り口には手書きでメニューを書いた黒板が置かれ、

店内は観葉植物が所せましと飾られていた。

こんな所に連れてきてもらえるなんて


意外だったけど、

さすがつかさ君だな。


こ洒落たお店を知ってるんだ。


奥の窓際へ通されて、私はパスタを、つかさ君はピラフを頼んで食べた。

白い大きめのTシャツに、うす茶色をした七分丈のパンツをはいて、


手首には黒い皮のブレスレット


そのゆるい感じが、


やっぱりおしゃれでかっこいい。



店内は

クーラーが効きすぎていて少し寒かった。


「はい。」


両腕を擦る私に、つかさ君はすかさず隣のイスに置いていた

パーカーを私に差し出してきた。

「あ・・・ありがとう」

そんな優しさも、私が残した貝を当然のように食べる行動も、

私にとっては嬉しくもあり不安でもあった。

慣れてるんだろうな・・・
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