mixed Emotion
花火が上がった。

赤やら青やら紫やら、色とりどりの火で創られた花は私達の頭上で堂々と咲いては散っていく。

私も当たって砕けてしまおうか。


待ってるだけでは、何も変わりそうにない。

「つかさ君。」

「花火ってさ、人の人生みたいじゃない?」

「え?」

「上見て上っていって、成功して花を咲かすやつもいれば、不発で終わるのもあるじゃん」

「ああ、そうだね」

人の気持ちをよそに、つかさ君は感慨深気に花火を見ていた。



…やっぱり、だめだ。


拉致があかない自分にもどかしくてはがゆくて、

でも、つかさくんの隣には、ずっといたいと思った。
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