アザレアの花束を


いや、

わかりたくなかった。



本当は

わかってるんだ。



何故か

俺の本能がそう言っている。



俺の本能が忠告している。



“これ以上彼女に近づくな”



と。



それでも

俺は天気の悪い日には彼女に会いに行くだろう。



彼女は獲物なんかじゃない。


殺したりしない。


だって

もっと彼女の顔を見ていたい。

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