キミは許婚


「いや、今日が初めてだぞ?」



父はあっさりと答えてくれた。



「ほ……ホントにホント!?」


「本当だ! ワシが家庭に仕事を持ち込むのを嫌うこと、明もよく知ってるだろ!? 

今日は明の話だったから、たまたま家に来てもらったが……」



曇り空が一変して快晴。


目の前が明るくなる。



良かった……!!



あの、お客様を目の前にして暴言吐いた娘はあたしじゃなかったんだ!!


感謝してるって聖は言ってたけど……きっと本心は違うはず。


もっと……もっと黒いはず。



「それならいいの! じゃぁあたしお風呂に入って寝るね」

< 96 / 533 >

この作品をシェア

pagetop