イケメン王子とワガママ姫
…はぁ!?
「絶対嫌よ。」
何考えてんだこの人。
意味分かんない。
頭おかしいんじゃないの!?
「助けてなかったら今ごろどうなってたかなぁ。」
うっ…
それはそうだけど…
「なんならあの不良達呼んできてもいいんだよ?」
え!?
それは…
それだけはやめていただきたい…
でも付き合うとか無理…
この人鬼だし…
恐いし…
付き合ってられないよ…
あたしが断ろうとすると
瀬戸優哉は妖しい笑みを浮かべて言った。
「俺と付き合って。」
そんなの無理だから!!
「あの不良達呼ぼうか?」
「喜んでお受けします。」
とっさにそう答えてしまったあたし。
その言葉を聞くと瀬戸優哉はフッと笑った。
その時の笑顔は
何かを企んでいる笑顔じゃなくて
真っすぐな優しい笑顔だった…
あたしの携帯を勝手に取り
何かを始めた瀬戸優哉。
「ちょ…ちょっと。何すんのよ!!」
「俺の番号登録しといたから。連絡したらすぐでること。」
そう言って瀬戸優哉は
あたしに携帯を返し
どこかに行ってしまった。
「えっちょっと…」
あたしが引き止めると
瀬戸優哉は振り返って
また、あの妖しい笑みを浮かべながら
「じゃあな。栞。」
と言って歩きだした。
「えっ、ちょっと待ちなさいよ!!」
白石栞。
楽しい高校生活を
送れなさそうです…