◇冬の女王サマ◇
教室にもどる
すると川野武が俺のほうを向いた
「辞書借りれた??」
「おう」
武と俺は親友
なんと幼稚園からの付き合い
俺は先生にばれないように武としゃべる
「その辞書、お前のファンの仔の?」
武が聞いてきた
「ううん。多分違う。でもこの辞書の仔ちょー可愛い☆
 俺ほれたかも♪」
「名前は?」


俺は辞書を見る
最後の表紙に「春風れみ」と
小さくきれいな字で書いてあった
「春風れみだって」
俺は言う。すると武は
「あきらめろ」
と言い出した
「はぁ、なんで?」
納得のいかない俺は武に反抗する
「そいつ、男の事受け入れないよ。
 この前も5人くらい振られてたし。
 学校1の王子とか言うやつも振られてた。
 冬の女王サマってきいたことない?」
「ない。っつーか俺そんなのきにしねーし、
 絶対あきらめないし」
「・・・まぁ、ガンバ・・」
呆れ顔の武を無視し俺はあの子のことを考えた
ほんとに可愛い子だった
れみちゃんか


あんなに可愛い子俺のもん
だって俺、女に振られたことねーし。

 
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