◇冬の女王サマ◇

「誠君が私のこと好きなの
 本当は気づいてた。
 もちろん、
 れみちゃんが誠君のこと
 まだ好きなんだろうな 
 とも思ってた
  

 でもふゆが好きだったから
 気づかないふりをしてた
 
 れみちゃん、覚えてる?
 中学3年の受験前
 私にこういったの


 『私、ゆずちゃんの言うとおり
  好きな人いるよ
  でも・・
  その人のこと好きって
  言っちゃダメ
  その人のこと
  その人が他の人を
  好きって気持ち
  私の一言で行動で
  潰せるの
  でもね、奇跡をそんなに簡単に
  潰したらダメだと思う
  
  本当に好きなら
  その人のこと応援するべきだから』

 私一回間違えた
 冬樹の気持ち踏みつぶそうとした
 でも止めてくれたのも冬樹なの」


そして、なっちゃんのほうを向いてこう言った


「夏樹・・
 もうやめよ
 夏樹なら分かるでしょ」
  
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