にせ偽善者
彼女はたしかに美人局だった。しかも、そのことに彼女自身気がついていなかった。ただ、奴が作って残していった借金を頑なに返すことを続け、さらに、次々と巻き込まれる不幸な出来事に、私にのみ頼って乗り切ろうとしてきたことは、男として、悪い気はしなかった。どちらかといえば人間嫌いの私とは正反対、、、彼女の持つ人懐こさは 私が支払う以上に、教えられることが多かった。

その頃から、世に蔓延る詐欺というものの持つ底知れない力と可能性に注目し始めた。
どんな市民団体、ボランティアも 為し得ない高齢者との付き合いを 詐欺という形で、繰り広げられている。大体、明るみにでる詐欺行為は、ほとんどが、家族からの被害届だった。年寄りからは、何も訴えはない。
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