ココロノカケラ

教室を、駆け抜けて、

廊下とその先の渡り廊下も走り抜けた。

音楽室とトイレしかない、

新校舎の二階へ続く廊下。

その先で、あたしの腕は自由になった。

ここまでは、あまり誰も来ない。

ピカピカの校舎なのに、

用事がない限り、

あまり人が寄り付かない。

あたしは綺麗で、人の来ない、

この校舎が好きなのに。


「脱出成功」


言って、ソウマは笑う。


「奪回成功、かな?」


「いや、別に誰にも奪われた覚えはないから、

強奪成功、じゃない?」


ソウマはちょっと天を仰いで考えた。

渡り廊下の窓はでかくて、

空が良く見える。

よく出来た曇り空に、

ソウマは笑う。


「オレ、卑怯?」



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