ココロノカケラ
 
靴に足を突っ込みながら、

あたしの口は嘘をついた。


「うん。いるかも」


よくもそんなこと言えるもんだ。

われながら思うけど、

次の質問をもう聞きたくなかった。

彼と一緒にもいたくない。

この、

嫌でたまらない居心地の悪さ。

どう表現していいのか分らない。

けれど、

今はっきりと頭をよぎったのは

あたしが、

ちょっと男性恐怖症気味なんではないかという疑い。





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