空の姫と海の王子
◆第三章

◇sweet sugar、



───青、蒼、碧

色んなアオが混ざった
空とも海とも分からない世界

知らない、世界


「………?」

「何だ、ここは……?」

「空と海の扉の中よ」

「俺達吸い込まれたんだったな」


ふわふわと浮かびながら
他人事のようにそう話してる

何でみんなそんな普通なの?

怖いって感じてるのは春だけ?


「大丈夫」


そっと指先が触れた

それを辿って手を握ってると
少しだけど、安心できた


ありがとう


言いたいのに声が出なくて
だから、一瞬だけ笑顔を見せた

そう、一瞬だけ


ドン、と胸を押された
繋いだ手がほどけて
どうして?と海斗を見て

目を疑った


やめて、やめて、やめて


金色の大きな針が二本
海斗の左胸に刺さってる


「……っ、春!」


苦しそうな、掠れた声で叫んだら
春は海色の結界に閉じ込められた


なんで、

なんで、こんな……


海色の瞳から光が消えて
ゆっくりと下に落ちていく


海斗!海斗!!!


声が出ない、なんで!

早く起こさないと、

海斗がどこかに行っちゃうの……に

………え

奈々……、陸?


海斗と同じように体に
金色の針が刺さっていて
ゆっくりと、落ちていく

暗い、淀んだ、闇の底に


つぷり、と沈んでいく


「っ……やめて、もうやめて!!!!」


体から空色の光が溢れて

目の前が真っ白になった


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