ハート

それぞれの傷

日曜日。


私はいつものようにまーに会うために一時退院して、玄関先でまーのエスティマが来るのを待っていた。


今日は駅まで車で行って、そのまま電車で上野公園へ行く約束を前からしていた。



こないだのメールのこともあり、なんとなく気まずくて どんな顔をして会おうとか、最初になんて声をかけようなどと考えていると いつのまにか車が来てしまった。



「おはよ…」


とりあえず、ぎこちなく挨拶をしてみた。







「おはよ」






まーは、私の方を見もしないで そっけなく一言そう返しただけだった…





その後もずっと沈黙が続き、 まーは一度も私の方を見ようともしなかった。



気まずくなることは予想していたけれど、まさか
こんなに酷い状況になるなんて思っていなかった…


いつものまーだったらきっとこのへんで、


「ナナ~!何ヘコんでんの? お前は本当、すぐヘコむよな~」



なんて言いながら、頭を撫でてくれるのに……





しかし、本当の悪夢の始まりは これからだった。


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