ハート

命の分かれ目

いや、違う。



私はちゃんと、幸せとはどういうものなのか知っている。


まーが教えてくれたものだ。




バイト帰り、いつも車で待っていて 家まで送ってくれた。

私が落ち込んでいると、いつも元気づけて笑わせてくれた。

なんとか私を喜ばせようと、一生懸命私の喜ぶことを探してくれた…





私はまーといる時が何より幸せだったんだ。




けれど、その幸せを遮るように黒い影が現れた。


「彼女」という存在さえなければ、私はきっとこのまま死ぬまでずっと 幸せだったに違いない…






息が苦しい……


胸が破れそうなくらい痛い…






楽に、なりたい…







「まー……、私ももう一度、幸せに、なりたかったよ……」






手をゆっくりと点滴に、そして、酸素マスク、心電図へとのばした。





体につけられている全ての機器を外せば、私の心臓はその瞬間に止まる
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