不思議の国とアリスのゲーム




一瞬目を見開いた那紅琉だったが、慌てる事無くやはりそのまま向かって来る。





「那紅琉!?」





「あやつ何を・・・」





観客席からは不安の色が見てとれる。


その様子に赤髪の女性はニッと笑んだ。






「勝ちを諦めたか!那紅琉=秋月!!」





「まさか」





「!!」






龍とぶつかる直前、那紅琉は飛躍すると龍の背に着地し、赤髪の女性へと一気に走り寄ると、今度は高く飛躍した。






「すみません。首刎ねられたくないんで、負けるわけにはいかないんです」





「くっ!」





「遅いっ!!」






慌ててまた剣を構えようとした赤髪の女性だったが、那紅琉の鋭い声とともに倒された。







「winner!!ノエル=フルール、那紅琉=秋月ペア!!」





「よって、今年のステラは、ノエル=フルール、那紅琉=秋月ペア!!」





その声の直後、割れんばかりの歓声が響いた。


その歓声に包まれて、那紅琉とノエルは嬉しそうにハイタッチした。



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