このキズで俺はお前を縛る
「茶佑、回帰祝い、絶対に行け
雪乃の両親もお前の怪我の具合を気にしてるんだ
お前が必死に隠したがっていること…雪乃の両親も俺も知ってる
事故の原因が雪乃だって、雪乃から聞いた
知らないのは俺らの両親と優佑だけだ」

俺の後をついて廊下に出てきた兄貴が、低い声で言った

「俺は行かない
それに近々、家を出るつもりだ」

「どうして?」

「雪乃のそばに居たくない
兄貴と結婚するところを見たくない
それだけだ」

俺は2階にある自分の部屋に駆け上がった


俺は…それから雪乃にも会わず

家を出た

いきなり一人暮らしは駄目だという父親の意見により

父の友人だったという有栖川家の世話になることになった


有栖川の家に行って


俺の生活はがらりと変わった

そう…がらりと……な
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