放課後の人魚姫。
〜美妃サイド〜


仲川美妃。


成績優秀。


美人でスポーツ万能。



「仲川ってさ〜よくねぇ?」


「んなん皆思ってるって!!」




「でもなんか遠くにいるみたいで近づきにくくねぇ?」


「あ〜わかるかもしんない。」







遠くになんかいないよ。




皆と同じ、ここにいるよ…。





「貴方は頭がいいから、安心ね。」



「貴方はいい子なんだから、ちゃんとしてられるわよね。」







思わず言ってしまう言葉。




「うん!!美妃、お母さんのためにいい子でいる!」



お母さんはいつも男と一緒にいて、私なんかほったらかしていった。




貴方は頭がいいから。貴方はしっかりしてるから。

と言い訳をして、男と遊びにいく。



そのたびに悲しくて、寂しくて、悔しくて。



実の娘より、男の方が大事なんだ………。





私なんて、いらないんじゃないか………。



私は、5歳でそんなことを考えてた。



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