学校トランプ
喋り方まで変えてしまう人間の私欲。

それは、人格をも変えてしまう…


「…そうね。仲良くしてあげることにしましょう」


片方の口の端だけ上がった不気味な笑みは、とても不吉だった…


『A組の中村大輔・辻森孝哉死亡。Jokerの持ち主はB組の日坂時雨』


放送が流れた。


「嘘…」


「時雨…本当に…」


夏帆は嘘だと思いたかった。

でも、目の前に転がってる一を見ると現実に引き戻された。


「え…じゃあJokerの持ち主は…」


「布崎莉加・松永亜紀・日坂時雨・山内真央・佐川誠司・藤井桃子・畠山謙太・石橋由希・羽柴海」


琴葉が言った。

開始から1時間。

あと23時間以内にJokerを奪わないと…

もう一度このゲームに参加しなければならない…


「もう…嫌…」


「あおい…」


「ねぇ、どうしてこんなことするの?みんな生きてたのに…」


そんなの分かってるよ。

あおい…


「いっ、嫌!!」


亜紀!?

突然亜紀の悲鳴が聞こえた。


「え…やだ、驚かせるつもりなんてなかったのに」


見ると、C組の倉木小結【くらきさゆ】と

八野萌香【やのもえか】が立ってた。


「ご、ごめん…Jokerを狙ってる人かと思って…」


亜紀は小結と萌香に誤った。
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