宙(そら)にとけて、しまう
満15歳と41日。
それがわたしが大人になった時の、
正確な年齢だ。

まだたった半年しか経ってない。

わたしは今日、
あの場所に行ってみようと思う。
特別な場所ではない。
わたしの住む町の外れにある雑木林。
そこに昔、お城があったらしいけれど、
全然そんな感じはしない。
ただ無造作に木が生えているだけ。
中途半端な都会、
もしくは、
中途半端な田舎。
そんなこの町にはよくありそうな、
ありふれた場所のひとつにすぎない。

まだ半年、ということを
繰り返し考えてみる。
半年という時間の重さについて。
それは結局とらえどころがなくて、
わたしは困惑する。

あの子と会って、そして別れた。
あれから半年。

半年なんてあっという間だった。
大人になると時の過ぎるのがはやくなる
と、みんな言うけれど、
これも大人になった証拠なんだろうか?

そういう気もするけれど、
なんだか違う気もする。

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