トライアングル。
するとその時、家族がやってきた。

学校のある兄弟たちは、
終わってから来るらしい。

「いよいよだな。緊張してるだろ。」

「うん。」

「眠ってる間に終わるんだから、
安心して身を預けていればいいんだよ。」

「そうよ。
私たちは中には入れないけれど、
側には居るの。
トモくんは一人じゃないわ。
無事終わって退院できたら、
今まで出来なかった事が
出来るようになるんだから、
楽しみがたくさん待ってるの。」

「そうだね。
父さん、母さん、ありがとう。」

「トモ…。」

「トモくん…。」

陽香の目は早くも潤んでいる。
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