エージェント・レイ‐狂人の島‐
「それなら」

私はレイに言った。

「井戸を探して」

「井戸?」

レイが振り返る。

私は頷いた。

…地下水に、恐らくその生物兵器が混入されたのだ。

その水を飲んだ人達が、次々と暴徒化している。

この島の生き残りの人から直接聞いた話なのだから間違いない。

「成程な…」

レイは少し黙考した後、警察署の廊下を歩き始めた。

「だが、井戸の前に探し物がある」

「探し物?」

オウム返しに訊ねる私に。

「お守りだ」

レイは不敵に笑った。


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