エージェント・レイ‐狂人の島‐
小屋を出て、更に山道を進む。

「もう少し奥に行けば、林業や採石を営んでいる人達の村があった筈…井戸はそこにあるわ」

私が言うと、レイは頷く。

彼の額には汗が浮かんでいた。

無理もない。

こんな異常な状況下だ。

私を警護しながら進むレイは、私以上に緊張で疲労しているかもしれない。

でも…そんなこっちの事情は考慮してくれない。

「!?」

突然、凶暴な音が山道にこだました。

エンジン音。

急激にスロットルを開けられたエンジンが、悶えるように唸りを上げる。

「……!」

ショットガンを構え、警戒するレイ。

姿は見えないが、音はすぐ近くから聞こえてきていた。


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