そのコップは空(ソラ)だった。
だけど…ただの風紀委員で一緒になっただけじゃ…
「俺、学校辞めようかと思ってたんだよ。」
「え?」
驚愕する私から目を離し、笑顔が消えた顔で宙を見つめる。
「なんか学校来てても正直、することねーし。
何もしねーで金取られるなら学校辞めて働こうかな?って。」
そんな…黒住くんが学校を辞めたら私の憧れの人がいなくなっちゃう…。
「でもさっちゃんの言葉に上手く乗せられて風紀委員になった。
一人だったらバックレて終了だったかもしれない。
だけど…お前がいたからお前任せにできないと思って…」
と言って口をつぐむ。
「どうしたん…ですか?」
「いや…なんでもない…」
そういう彼の顔は少し赤い。
「ってことで、相棒!これからよろしくな!」
「はっ…はい!」
二人きりの屋上。
私たちは少し距離が縮まったような気がする。