時 空 堂

「恭ちゃん」

「母さん、どうしたの?」

 少しふらつきながら部屋にゆっくりと入ってきた。

「恭ちゃん、大学に受かっていたらどこかに行くの?」

「えっ?何?急に・・・」

 こんなこと、前の時にはなかったはずだ。記憶にない。

 どうしていいか分からず、思わず後ろにさがった。

「ねぇ、恭ちゃん。居なくなっちゃうの?」

 今にも泣き出しそうだ。

「・・・つ、何で?俺はここに居るから。大丈夫だよ」

 そう言うと、にっこりと笑って「良かった」と涙を流した。
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