時 空 堂

「ありがとうございます。あれ?なんだか顔色が悪いですね」

「あぁ、この時間帯だからかな」

「まだ・・・、だめなんですね」

 榊さんは少し俯いた。

「まだ・・・、だね」

「昼間嬉しそうに出かけていたからてっきり・・・、もう」

 嬉しそう?俺が?

「そう見えた?」

「えぇ、嬉しそうでしたよ。足取りが軽いというか、にやけているというか」

「そっか」

 ほんの少しは前に進めているのかも知れない。そんなことを思いながら家に帰った。
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