時 空 堂
其ノ四、女

 痛っ。鈍い痛みが背中を覆っていた。痛みの部分を押さえようにも、体が言うことを聞かない。ここは、どこ?一体何が起きたの?ゆっくりと目を開けると、あたりは真っ白だった。

 白い天井、白いカーテン、白い壁、白い窓枠。そして白い寝具。私はベッドに横たわっていた。

「えっ?」

 思わず声が漏れた。全く見知らぬ場所に居たことにもだが、起き上がろうにもうまく起き上がれないことに更に驚いた。手に力が入らず、自分の体を支えることが出来ない。

 ベッドの横の手すりを持っても、うまく力が入らなかった。
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