時 空 堂

 立ち上がり、体を翻して女の元へすぐさま駆け寄った。

「お願い、私を元に戻して」

「どういうこと?」

 お姉さんは少し後ろに下がろうとした。でも私はがっちりと両腕を掴み、離さなかった。縋る気持ちでいっぱいだった。

「こんな未来を送るくらいなら、何もない退屈な過去にいる方がいいの。早くっ、私を元の場所に戻してよ」

 急かす私を尻目に女は、表情一つ変えず見下していた。

「その願いは無理な話ね」

「はっ?なんで?お姉さんなら簡単でしょう?」
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