時 空 堂

┣過去


バタンッ

 何かが閉まる音がして、目が覚めた。

「ここは・・・、ん?」

 手元から周りを見渡すと、車の中ということに気がついた。

 確か、俺の目の前には、白髪の女の子が居たはず。なのに、何故車の中なんかに。

「おーい、黒河。積み終わったぞ。いつまで寝てるんだ」

「・・・あっ。篠原じゃないか」

 車のガラス越しには、懐かしい人、篠原が立っていた。

「懐かしいなぁ」

「何言ってんだよ、黒河。ほんの一時間前に会ったじゃないか。まだ寝ぼけてんのか?」

「あっ」
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