先生にキス〈3〉
刻々と時間は過ぎていき、修学旅行前日。



放課後の廊下で、私は一番会いたくない人に鉢合わせした。



「和丘さん。」



並木君は、ちょうどA組の教室から出てきたところで私に気付くと笑顔を見せる。



私は俯きながら、並木君の横を通り過ぎようとすると、腕を掴まれてしまった。



「期限まで、あと少しだね。条件を呑んで、俺の女になるっていうことは、もちろん綾月先生とは…」



「そんなこと、言われなくても分かってます!」



私は並木君が掴んだ腕をバッと振りほどくと、走ってその場から立ち去った。




そんなこと…並木君にいちいち言われなくたって、分かってるよ…。




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