先生にキス〈3〉
私たちは、まずはオルゴールのお店へと向かった。



お店に入ると、オルゴールのメロディーが店内に響いていて、気持ちを和らげてくれる。



「綺麗だね!」


梗子や同じグループの子たちも、たくさんのオルゴールに見入っている。



私もメロディーに耳を傾けながら、アンティーク調のテーブルに可愛らしく並べられたオルゴールを見ていた。



「和丘はオルゴール…好き?」


びっくりして、横を見ると先生も私が見ていたオルゴールを眺めている。



先生、いつの間に…?



私は先生から視線をオルゴールに戻す。



「…好きです。」



私は小さな声で答えると、


「俺も好き。」



先生は、オルゴールを見る私を覗き込むと優しい笑顔を見せた。



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