先生にキス〈3〉
「もう!二人で待っててって言ったでしょ!」



梗子が私の肩にポンと手をのせる。



「だって、ちょっと遅いから心配になっちゃって…。」


「どうせ食べるなら、美味しいところがいいかなって思って、聴き込みしながら探してたんの!」


梗子はガイドブックを片手に、ニコッと笑う。



先生の言ってたことが大体当たってる…。


何も聴き込みまでして探さなくてもいいような気もするけど……。



「それに、なるべく時間を引き延ばした方が先生と一緒にいられる時間も増えるでしょ?話とか出来た?」


梗子が小さな声で耳打ちをする。



「うん…。出来たよ。ありがとう…。」



私も梗子にだけ聞こえるくらいの声で答えた。



梗子は、それを聞くと少しホッとした表情を見せた。


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