SS
新しい一歩




雨が多い季節には珍しく、良い天気に恵まれた。


陽の光が窓から降り注ぐ白を基調とした部屋で、光を放つ白を私は身にまとっている。

シワを付けないように慎重に近くのソファーに座り、携帯電話を耳にあてる。



『お前の好きそうな物見つけたぞ!
お前絶対気に入るから早めに電話してこいよ』



携帯電話から聞こえてきたのは懐かしい貴方の声。
目を伏せて役目を終えた携帯電話を見つめる。


ふっと笑みが零れた。

鏡を見なくても、私は自分の表情が柔らかくなっているのがわかる。



だって、心がとても穏やかだから。



もう貴方の声を聞いても揺るがなくなったよ。





「こんな日がくるなんて思っわなかったな」





前に進む時がきたんだね。



キー操作で画面に有無をとう二つの選択肢を出す。
そして、色々な思いを込めてボタンを押した。







[はい]








私は今日、煌めく太陽と真っ青な空の下で鐘の音を聞きながら、沢山の祝福を浴びて新しい一歩を踏み出す。


この日を迎えられるのも貴方のお陰だよ。








「ありがとう」









END



< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

天然美
きあろ/著

総文字数/5,303

恋愛(その他)13ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
地味な自分といる 綺麗な彼女 釣り合うために カッコよくなろうとしたことなのに その努力は無意味だった 今後 番外編か 他の作品に『天然美』の登場人物をだすかもしれません(0ω<♪) 2009.2.5 end
籠の鳥
きあろ/著

総文字数/7,666

恋愛(その他)23ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
9/4 1ページ更新 9/25 1ページ更新 10/22 1ページ更新 5/6 22・23ページ修正 5/28 1ページ~12ページまで修正 戸籍上だけの結婚 それは自分の望んだことの結末だった… 詳しい更新情報はプロフィールのマイリンクにあるサイトでおこなっています
私達の関係
きあろ/著

総文字数/974

恋愛(その他)3ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
暗闇の下 貴方と逢うのは月明かりの中でだけ 決して私から求めない 求めてはいけない そんな私達は太陽のしたを堂々と歩けない いけない関係だから 『天然美』をメインに更新していますので 更新はかなり遅いです 詳しい更新情報はプロフィールのマイリンクにあるサイトでおこなっています

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop