Bitter&Sweet



わかるよ、オレが悪い


だけど、
どうしろっていうんだろう


謝れと言うなら謝ろう


だって、悪いと思ってるし



吉田はオレの考えてることが わかったみたいで



「別に今さらどうしろなんて言いませんよ」


目を閉じて前髪をかき上げた手首の白い傷を見た



吉田は
オレの視線の先に気がついて


「これ?」って手首を見せる



ふっ…と冷めた笑みを浮かべ



「鈴木先輩のせいじゃない
安心してください」



「………オレのせいじゃないからって安心できる傷じゃないだろ?」



「これは私の弱さです
誰のせいでもない
心配される言われもないわ」



「………じゃあ、なんでオレに話しかけた?
何かあるからじゃないの?」



ああ、オレもバカだ


何もできないんだから
首突っ込むなよ



吉田は少し考えるように
うつむいて
ためらいがちに口を開いた



「この病院に鈴木先輩が来た時
鈴木先輩は昔と違って安定した雰囲気でした

まるで、
大学の時とは別人みたいに

だから今まで話しかけなかった
私だって先輩のことは過去だし


だけど、そう妹」



「え?」



「妹さんが看護師になって
一時、意識不明になりましたよね?

あの頃からだんだん鈴木先輩が昔みたいに荒んで行くようで

つい、大学の時の先輩が戻って来たのかと感じてしまって」




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