Bitter&Sweet



私が本郷先生と?



そんな…そんなの信じられない



「嘘よ……だって
だって、何で?

今まで何も言って
来なかったじゃない

入院してる時だって一度も」



「だから言ったでしょう?
翠には内緒にしてた。
それは南が望んだこと。

翠が記憶を失くした南に
べったり張り付いてるのに
どうして ぼくが南に会える?」



「でも」


本郷先生は私の言葉を遮り
畳み掛けるように言った



「ひどいよ、やっと こうして南に会えるのに

頭から否定しないでよ…

ぼくは南を愛しているんだよ?

前から、そして今も
そう、今もだよ。

南がぼくを忘れて、
ぼくを愛していないとしても

ぼくは変わらず南を愛し
いつだって胸を痛めてるのに」




必死に訴えかける本郷先生


もう頭の中が混乱して
何を言えばいいのか



 もし


もしも、
本郷先生の話が真実なら



私は本郷先生になんてひどい事してるんだろう




「本郷先生……」


「新。新って呼んでよ
前みたいに」



前って。
そんな覚えていないのに



「………あ、新?」


「ああ」って本郷先生は
ため息をもらし



「また南に
『新』って呼んでもらえた

ぼくの大好きなその声が
もう一度呼んでくれないかと
ずっと願ってたよ………」



「そんな……」


どうしよう、どうしよう。


どうしたらいいんだろう



本郷先生の話は真実なの?





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