Bitter&Sweet



大好きなお兄ちゃん。ねぇ……



ケータイの画面を見ながら



ベッドに横になった


まだ濡れてる髪が首筋に冷たく感じる




記憶


記憶を無くす前


私はお兄ちゃんをどんな風に思ってたのかな?




やっぱり、いけないと知りつつ
恋をしてた?



      それとも




記憶を無くし、不安な時に優しくしてくれた唯一の人だから


好きになったの?―――――




私は ゆっくり本郷先生に返事を打ち始めた




―――――――――――――



》本郷先生

お疲れ様です。
今日はお世話になりました
足手まといですが これから よろしくお願いします。

おやすみなさい



――――――――――――――




送信っ……


そういえば
お兄ちゃん以外の男の人にメールするの


記憶を無くしてから初めてかも



………本郷先生か



いい人なのかな?



メールの文面は いい人そう



見た目も、全体 色素薄いし、背高いし、絶対に彼女いるな………



お兄ちゃん

うちのお兄ちゃんもカッコいいのに


彼女いないなんて もったいない


キョーミないとか言って
妹に優しくするから
妹がバカになるんだぞ



「お兄ちゃんのバ~カ」



そう呟くと急速に睡魔が襲って来て私はそのまま眠りに落ちた



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