Bitter&Sweet



「何でもいいから知りたいよ」



パタンと冷蔵庫を閉めたお兄ちゃんの背中に言うと



「――――――――無理して知る必要はないと思うよ」



「え?」



お兄ちゃんは 振り返って



「無理して思い出そうとして辛かったの姫だろ?」



確かに そうだった


退院して しばらく 早く思い出そうとして


その度に頭痛やプレッシャーとの戦いだった



そんな私に


『無理しないで大丈夫だから
記憶があっても失くても
姫は姫。オレの大切な妹だよ』


優しく支えてくれたのは

お兄ちゃんだった




「今と大して変わらないよ
こうして兄妹 仲良く暮らしてたんだ」



お兄ちゃんは そっと私の髪を撫でてから


水の入ったグラスを持って
書斎に入って行った



…今と大して変わらない かぁ



そうだよね



……そう…だよね………



< 73 / 261 >

この作品をシェア

pagetop