Bitter&Sweet



エンドロールが終わると
劇場にフッ…とオレンジ色の明かりが灯る



立ち上がって扉の外へ出て



それぞれ何かを喋りながら歩く観客たちの流れに沿って



並んで歩くオレと姫は恋人同士に見えるかな?



そう思ってると姫が


「パンフレット買って行ってもいい?

――――――お兄ちゃん」



お兄ちゃん


それを言ってしまえば
おしまいだな



「いいよ。買って行こう」



ニコニコ笑う姫とシネコンのショップに入って



少し残念なキモチになった






シネコンを出て


寄ったカフェで


姫はパンフレットを見ながら
チョコレートパフェを食べてた



「お兄ちゃんも一口どうぞ」


チョコレートがかかった生クリームを乗せたスプーンをオレの口元に差し出して


姫は「ん」ってオレに口を開くように うながす



少し、いや、とっても恥ずかしいけど



口を開くと姫がスプーンを入れてくれて


「美味しいでしょ?」



「甘いな」


オレが呟くと


「チョコレートパフェだもん」って姫は笑った



甘かった
口の中よりも胸が


こんな事でドキドキして


オレは中学生かよ?


情けないなぁと
少し頬が熱くなった


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