キミのことが好きでした


校門前の桜の木は
緑の葉を優しく揺らし

いつもより寂しくなった朝を

気にすることはないと
慰めます



「おはよ」

「えっ、あ…」



一瞬だけ通り過ぎる

あんなに聞き慣れていた
キミの声も

なぜか僕の胸を
ぎゅっと苦しくさせて



机を越えてくることもない
ホームルーム前の教室は

クラス替えをしたんだと
思ってしまうくらい

昨日までとは
違う場所に見えました





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