吸血鬼と紅き石
「…レンバルト?」

顔を上げれば心底嫌そうな顔が目に入った。

「全く…いい雰囲気だった、っていうのに…」

空気読めよなぁ、とぼやくレンバルトが、己の懐に片手を差し入れた。

何だか分からずにただ見ていただけのリイエンの前に差し出されたものは。

「―――あ」

瞬きを忘れて息を呑む。

「ほら、分かるだろう?」

マントの内側から取り出された、いくつもの淡い光が彼の掌の上にある。

差し出されたそれは、リイエンの髪に頬に肩にと纏わりつき、再会とその身の無事を喜んでいるように見える。


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