吸血鬼と紅き石
そして何より。

子供を殺す彼を、見たくない。

「…リイエン…」

「嫌ったら嫌よ!絶対に駄目なんだから!」

レンバルトの困惑が混じった眼差しと、リイエンの強い意志を秘めた眼差しがぶつかる。

数瞬、そのまま視線を合わせて。

「……仕方ねェな、このじゃじゃ馬が」

折れたのは、レンバルトだった。

その掌から力が消え。

ハァ、と今度は溜め息を吐いてレンバルトが掌でリイエンの頭を掻き乱す。

「面倒事が起こっても、知らねェからな」

優しさと諦め含んだその穏やかな瞳にリイエンの胸が高鳴る。

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