どくんどくん2 ~あの空の向こう~

ユキからのメールも電話もないまま、3日が過ぎた。

僕は、一日一回メールを送っていた。



ユミちゃんから電話があった。


『ユキ、ハル君の話も聞かずに飛び出したこと、すごく後悔してる。だから、もう少し待ってあげて。気持ちの整理付いたら、ちゃんと向き合うと思うから。 』


僕も同じ気持ちだった。

もう少し時間が欲しい。


ユキに会えないのは、僕への罰だ。


揺ぎ無いと信じていた僕のユキへの愛が、少しでも揺らいだ罰だ。



バイトは、結局今月と言わず、その日で辞めた。

携帯のメモリーに、『さゆりさん』はもうない。


僕は、ここのところ夜になると外へ出て、星を見ていた。


なぁ、ゆうじ。


僕の行動全部見てたんだろ?


怒ってくれよ、ゆうじ。



僕が間違っていた。


なぁ、ゆうじはどの星なんだ?


ゆうじの声が聞きたい。


ゆうじの笑顔が見たい。



ゆうじ、教えてくれ。


これから、僕はどうしたらいい?




その時、一番明るく光る星がキラキラと瞬いた。


『大丈夫だよ、ハル君』



ゆうじの声が聞こえた気がした。






< 187 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop