あ り が と う
不思議な気持ち
「あーあ。何で親同士仮名かいいって言うだけでお前たちの引越しに毎回毎回付いていかなきゃ何ねーんだよ。マジでいい加減にして欲しいっつーの」

大きいダンボール箱を抱えてグチグチと文句を言うヒロ。

あたしのお父さんの会社の都合で大阪に引っ越すことになった。

あたしの両親とヒロの両親は4人が中学生くらいの時からの友達らしく、今まで何回もお父さんの転勤について来るんだ。

迎えの家や隣の家についてきて毎晩毎晩、どっちかの家に遊びに行く。

そんな家族ぐるみの仲だった。 そんな引越しにヒロもあたしも十分迷惑してて機嫌がいいのはその4人だけだった。

「おい!お前も手伝えよ。大阪の女の子がどんな子かみたいのに早くしねーと夜になっちまうだろ」

ヒロはさっきとは違うダンボール箱を持って、またあたしにグチグチ言う。

でもあたしは思いっきり無視して今まで出来た友達にメールを送る。

引っ越すのが多いから友達は500人以上いて、昔の子なんか顔も覚えてないくらいだった。

「聞こえてンのかよ!手伝えって言ってんだろ?」

ヒロは自分の本が入ってるダンボール箱をあたしに向かって投げた。

でも重たいから30㎝も飛ばずに地面に落ちた。

「ばーか。当たり前じゃん」

 
 
 
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